36歳 東京HARTクリニックで 不妊治療

ただ今、体外受精に挑戦中

体外受精に向けて動き出す-東京ハートクリニックでIVF①-

◯ステップアップについて説明を受ける

2018年2月10日(土)D2、夫と一緒に受診した。この日の先生は院長先生だった。

まず、現状について説明を受ける。4回の人工授精で妊娠しない私には、ステップアップが必要だろうということ。年齢的にも今周期から始めるのが望ましいこと。世界中の女性が治療をしていること、などなど。

 

驚いたのは、いわゆる低刺激の排卵誘発をしているのは日本くらいなものだという話。世界中どこの国でも朝から晩までみんな自分で注射を打って、排卵誘発していると先生は教えてくれた。

それでも怖い。注射。

 

注射や痛みが怖いことは申し送り事項となっているのだろう。院長先生は続けて言った。

「注射が怖いことは知ってる。あなたのために、スケジュールを考えてみた。1日おきにしてあげる。」

1日おき。この言葉に私の心が動いた。10日間連日の注射が5回に減った。単純に半分。

すかさず院長先生。

 

「あとはあなたが決めるだけ。」

 

夫はこういうとき何も言わない。でもステップアップにものすごく乗り気なのは空気で伝わる。

 

今決めなくてはならない緊迫した空気。

ちょっと動いた私の心。

注射周期スタートは3日後の2月13日。

とりあえず保留にしつつも予約は入れた。

 

妊活してること、言う?言わない?

◯私は言わない派です

東京ハートクリニックに通い始めるまで、婦人科に通っていることを話すことにためらいはなかった。しかし、治療が長期化したり、変な気遣いをされたりするのも嫌なので、特に何も触れなかった。

というのも、お酒を全く控えていなかったため、友達に言う必要もなかったからだ。

 

しかし、東京ハートに通うようになり、治療が一気に本格化した。治療の内容もかかる費用もこれまでとは別物だ。

ここまでくると、出産が怖くて仕方ない私でも、さすがに妊娠に対して少し前向きになってくる。

そしてぶち当たったのがお酒の問題だ。

 

◯お酒と不妊治療

お酒の場に困るようになった。これまで、毎日ビールを5.6本飲み、週に何日も友達と食事をしていた私が、突然付き合いが悪くなったり、ノンアルビールを手にしたりすれば、だれだって妊活を予想する。

 

妊活も不妊治療も、人に言うこと自体は何もためらいはないのだが、やはり周りに気を遣われるのは非常に居心地が悪い。

よく会う友達には、我々のような夫婦2人家族だけでなく、パパ・ママさんもいれば、妊婦さんもいる。今はまだ結婚していないカップルもいるし、新婚さんもいる。

そういった様々な立場の中で、高度不妊治療を始めました、と言うのはなかなか難しい。私は気楽な立場でいたかったし、少なくとも妊娠するまでは、特に触れなくていいのかな、と考えている。とにかく気楽でいたいのだ。

4回の人工授精とステップアップー東京ハートクリニックでAIH④ー

◯人工授精 3回目・4回目

結局2回目の人工授精も妊娠に至らず、2017年12月26日、3回目のチャレンジに臨んだ。

いつもはトイレを済ませてからの施術なのだが、この時は敢えてトイレには行かず、膀胱に尿を溜めたままでという指示が出た。

先生は前回と同じ女性の先生。私の好きな先生だ。(そして夫もこの先生に好感をもっている。)

施術は前回に比べ、時間的にも痛み的にもかなりスムーズにことが進んだ。先生も前回の痛みのことや私の体の形状のことを覚えてくれていたようだった。これがいわゆる”慣れ”なのか。

また、膀胱に尿を溜めておいたのも良かったようだ。通常は膀胱が膨れていると施術の邪魔になるようだが、私のようなタイプの場合、尿が溜まっていた方が曲がりが改善されることがあるそうだ。

そんなこんなで痛みの心配も解消され、4回の人工授精を経験した。

 

◯人工授精は何回まで?

人工授精において4回目というのは、ターニングポイントの一つになる。ここからは成功率の伸びが目に見えて緩やかになるからだ。

また、AMHの値が低かったり、私のように年齢が上がった人にとっては、時間のロスが致命傷となるため、ステップアップも視野に入れなくてはならない。

毎回施術が終わると、次の診察の案内があるのだが、4回目の人工授精では、案内の内容が変わり、

「私にもとうとう来たか。」

と身構えた。

これまでは、生理が来た場合、生理開始から10〜12日目辺りに予約を入れる旨を看護婦さんから伝えられるのだが、今回は生理開始1〜3日のうちに予約、診察とのことだった。着々とステップアップが視野に入ってきたのを感じた。

 

4回目の人工授精の診察が終わった時、ふと思いついて、体外受精の注射について質問してみた。もちろん、今は体外受精などという高度な治療は考えていないこと、その理由が注射への恐怖であることもしっかり伝えた上でのことだ。

先生はいつもの何とも言えない笑顔で言った。

「見ていきます?」

近いうちにどうせステップアップを勧められるだろう。今は体外受精など到底考えられない。しかし、何も知らずに引き下がるのも間違いな気がした。ならば、体外受精で使われるであろう注射針を見せてもらってみよう。もしかしたら案外怖くないかもしれない。

そんなことを思って、

「はい。」

と答えた。

 

◯注射針にひるむ

診察室を出ると看護婦さんが注射針を用意して待っていた。

目の端で注射器の姿を認めた私は後悔した。

 

怖い。無理だ。直視できない。

 

注射器は思った以上に怖いものだった。どう考えても無理だった。まだやるなんて全く決まっていないのに、しかも、今日はただ見せてもらっただけなのに、もう体が拒否反応を示した。

結局。

恐怖心だけを煽らせて終わった。

 

 

 

人工授精、その痛みは?ー東京ハートクリニックでAIH③ー

◯2回目の人工授精

10月は身内に不幸があり、人工授精どころではなかった。

そこで、初めての人工授精から2ヶ月後の11月17日(D10)、2回目のチャレンジをするために東京ハートクリニックへ足を運んだ。しかし卵胞チェックをするも、この日はあまり育っておらず、AIHができるようのなるまで何度か通院した。

そして、11月27日(D20)。2回目の人工受精にチャレンジとなった。

 

◯まさかの痛み

1回目の人工授精は男性の非常勤の先生による施術だったが、全く何も感じずに終わった。そして今回、初めて女性の先生にお願いした。(個人的に私はこの先生がとても好きだ。)

人工授精について調べると、痛みを伴うという情報はほとんどない。前回も痛みはなかったため、全く緊張せずに施術に臨んだ。

ところが。

いざ、施術になると、先生が非常に苦労している。器具がなかなか入らない。とうとう鉗子のようなものを使い、なにやら内部を引っ張りだした。

突然のことへの驚きと結構な痛さに呼吸を忘れて踏ん張った。

先生も頑張ってくれているが、なかなか難しいようだった。

看護婦さんが手を握り、肩を優しく叩きながら励ましてくれる。この時ほど、手を握るという行為に救われたことはない。人の温もりや励ましはこんなにも勇気付けるものなのかと改めて思った。

しかし、痛いものは痛い。前回とのこの違いはなんなのか。

 

◯先生の話

何とか無事人工授精も済み、そして先生からのお話。

先生曰く、私の内部の形状がだいぶ曲がっているとかで、器具が入りづらかったようだ。

 

◯徐々に慣れていきますから

ちょっと気持ちが滅入った。
次回もこんなに痛いのか、とても不安になる。そこで先生にこの不安を直接伝えてみた。

すると、先生。

「徐々に慣れていきますから。」

 

慣れるってなんだ???

すかさず聞いてみた。

「慣れるのは私ですか?先生ですか?」

 

「こちら(先生)です。」

 

ちょっと面白くて笑ってしまった。

もちろんこの次がないことが一番いいに決まってる。でもそうは問屋が卸さないだろう。

せめて先生には私の体に慣れて頂いて、痛みの少ない施術をお願いしたいと思った。

 

 

初人工授精の結果とその後ー東京ハートクリニックでAIH②ー

◯優等生的生理の訪れ
2017年10月7日。

嫌な予感がした。

このところ、プレマリンプロベラのおかげか、基礎体温の高温期と低温期がくっきりと分かれるようになった。ホルモンがきちんと補充されている。

その分、いやでも低温期の訪れを知ることになる。

生理予定日の前日。一気に低温期に入り、夕方には茶色いおりもの。

 
そして、10月8日。

生理予定日。しっかりと出血。

初めての人工授精はあえなく撃沈した。

 

◯生理のたびに泣く

不妊治療をしている人から、生理が来るたびに泣くという話を聞いたことがあった。

その頃の私は不妊治療の大変さを知らず、その言葉も全くピンと来なかった。

 

今回、初めて人工授精を経験し、生理のたびに泣く人の気持ちが少しだけ分かった気がした。

実際に泣きはしなかったものの、このときの落胆は結構なもので、経験したことのない種類のものだった。

時間のやりくりや職場への対応(これが本当に大変だ)、そして決して小さくはない出費を経ても、何も残らない虚無感。努力しても何も生まれないことへの苛立ち。

赤ちゃんが欲しいかどうかは未だにはっきりしない私ですら、この結果はきつかった。

たった一度の、しかもまだ人工授精の段階だ。それでも、高度不妊治療の辛さを垣間見たような気がした。

 

そして、この虚無感はこの後毎月続くことになるのだ。

初めての人工授精 -東京ハートクリニックでAIH①-

◯人工授精まで

 2017年9月21日(D11)

東京ハートクリニックへ。通院4回目。

超音波検査にて内膜の厚さと卵胞チェック。

その後、先生との話で5日後の9月26日(D16)に人工授精を受けることになった。お盆をはさんだものの、通院開始の次の周期にはもう人工授精。1周期も無駄にしないのはさすがだ。

 

◯東京ハートクリニックにおける人工授精の妊娠率

先生の話によると、1周期あたりの妊娠率は約8%で、人工授精を受けた人のうち20%から30%が妊娠に至っているという。また、人工授精を受けて妊娠した人のうち80%が4回目までに妊娠しているという。逆に、5回目以降からの妊娠はぐっと減り(グラフで見るとほとんど無いに等しかった)、少なくとも6回を過ぎたら、ステップアップが望ましいとのことだった。

私も夫も、人工授精をすればすぐに妊娠に至るだろうと思っていた。なんなら1回でできちゃうのではないかとさえ思っていた。

もちろん、体外受精など毛頭考えていなかったため、最悪でも人工授精を6回試して、それでも妊娠しなければ、治療は終わりだね!などと気楽に話していた。

 

◯人工授精当日

2017年9月26日(D16)

 まず、指定された日時に前に他院で処方されていたスプレキュアで卵胞の成長と排卵を促した。

 そして迎えた当日。

 

7:30

夫が自宅で採精。

男性不妊検査の時と要領は同じだか、初めての人工授精でかなり緊張したようで、上手に全量を容器に収められなかった模様。

所在無げな夫に労いの言葉をかけた。そして受け取った容器を紙袋に入れ、バッグに詰める。

 

9:10

東京ハートクリニックへ。待っている人はたったの1人。いつもながら、空いている。

受付を済ませ、夫からの預かりものを指示された方法で提出。この後、洗浄等の処置があるため、一旦外出することにした。

 

スタバで待つこと1時間ちょっと。呼び出しの電話が掛かってきて、クリニックへ戻る。

 

11:00  

呼び出し音が鳴り、トイレを済ませて処置室へ。

この日は非常勤の男の先生が担当だった。何の痛みもなく、処置はすぐに終わった。(実は2回目以降は毎回痛みがあった。特にAIH2回目、女性の先生に変わって最初は痛みがひどかった。女性の先生曰く、私の体の構造上、器具が入りづらいそうだ。なので、この1回目の痛みの無さが後から逆に心配になった。詳しくは後日詳しく書こうと思う。)

 

その後、この男性医師からお話を伺う。

今回は精子の状態が検査の時より良くなかったようで、さらに卵胞も小さめの18ミリ。

先生の口調は、今回の成功はすでに難しそうな物言いだった。

 

看護婦さんからは薬の説明と今後のスケジュールを伺う。まずフロモックスという抗生剤をお昼から飲み、28日からはプレマリンプロベラを服用するとのこと。この2つの薬はどちらも着床しやすくするためのものだそうだ。

 

11:20

お会計の呼び出し。お会計44000円を払った。やはり待合室には2、3人しかおらず、待ち時間が少ないという話は本当だと実感。

 

そして、何の違和感もなく、職場へ向かった。

卵管造影?通水検査 ?その痛みは?ー東京ハートクリニック 通院3回目ー

◯卵管造影と卵管疎通性検査(通水検査)

2017年8月26日  夫と来院。

通院3回目のこの日は、卵管疎通性検査の日だった。いわゆる、通水検査だ。卵管の詰まりを診るこの検査。とにかく評判が悪い。痛い!ともっぱらの評判だ。

 

私は前の病院で卵管造影をやっていない。恐怖心に打ち勝てず、この検査を避けてここまで来てしまった。(こちらを参照→  http://peachpit90210.hatenablog.com/entry/20180227/1519692578

 

しかし。

ハートクリニック初診時。

卵管造影をやっていない私は、当然のように通水検査(東京ハートクリニックは卵管造影ではなく通水検査を採用している)の予約を入れさせられた。"させられた"なんて表現は失礼かもしれないが、ここではいろいろな検査が躊躇なぬ押し寄せて来る。後から分かったことだが、1周期も無駄にしないのがこのクリニックのポリシーのようだ。

 

◯卵管の詰まりを調べる

卵管造影も通水検査も、卵管に詰まりや癒着がないかを調べる検査である。

詰まりが無いに越したことはないが、もし詰まりあっても、軽い詰まりであれば検査の際に通る場合が多い。また、全く通っていない場合には、治療を行ったり、体外受精から治療を進めることで問題はクリアになる。ただし、ここで注意したいのは、ピックアップ障害の有無についてはこの検査では分からないことだ。

 

不妊治療とは不妊の原因を消去法で探りながら進めるものなのだと先生は仰っていた。

様々の検査や治療をする中で、不妊の原因を探っていくことになるが、時間に猶予はない。このクリニックはそういった観点から、サクサクと検査を進めるのだろう。

 

◯卵管造影と通水検査

卵管造影の場合、造影剤(ヨード)を子宮内に注入し、レントゲン撮影し、卵管の状態を見る。

東京ハートクリニックでは、このレントゲン撮影の際、微量であれ被曝の可能性があるため卵管造影検査は扱っていないそうだ。

 

通水検査は、文字通り卵管に水を通し、状態を確認する方法。説明してくれた非常勤の男性の先生は、卵管造影より通水検査のほうが痛みは少ないと言っていたが、実際のところは分からない。

 

少なくとも、被曝を避け、痛みも少ないのであれば通水検査で十分と私は感じた。(少しでも痛くない検査がいいに決まってる。)

 

◯検査の実際

重い生理痛とドーンとした圧迫感、そしてツーンとした痛み。

ネットのみなさんの言う通りだった。

結構痛い。またやりたいかと聞かれれば、やりたくない!との答えるだろう。

 

でも、おそろしく恐怖心の強い私でもなんとかなったので、世の中の皆さんは、おそらく余裕なのではないかと思った。

ちなみに卵管が詰まっていると痛みが強くでるのは、卵管造影も通水検査も同じのようだ。私は詰まりがなかったので、痛みが少なめだったのかもしれない。

 

◯卵管造影・通水検査の副産物

これらの検査には嬉しいおまけがついてくる。

検査のおかげで卵管の軽い詰まりが通り、妊娠しやすくなるのだ。

ドクター曰く、効果は半年ほど。痛みに耐えた甲斐があるなぁと検査も無事済んだ私はしみじみ思った。(結局私はその恩恵にあやかれなかったが。)

 

◯結論

通水検査はなんとか我慢できるレベルの痛さだと思う。

恐れずに検査を受け、副産物を受け取ろう。